2006年7月20日

富士山。

・・・昨日書いた、富士登山の続き・・・。

ホントに限界です、八合目。よく初心者の富士登山のプランとして、昼間のうちに登り始めて、八合目で仮眠してから、朝方になって頂上を目指して御 来光・・・と言うのを聞くんだけども、無理。もう一回ハッキリ言います、無理。暗い中、雨の中登っているせいなのかなー・・・健康な人なら誰でも楽に登れ ますなんて、ドコ見て言ってんだ?と。

同行した2 人のうちの一人が言いました・・・もう帰ろうか。俺の顔は笑みがこぼれて激しく同意しておりました・・・が、俺の男気がそれを拒否!・・・せっかくキタの に頂上を見ないなんて勿体無い・・・と損得勘定まで働く始末。もう絶対コレっきりだ!と自分に言い聞かせて、もう登るしかない!ココで降りたらホントの負 け組だぁ!と、八合目を出発。すぐ独りぼっちになる。

歩いては座り込む歩いては座り込む歩いては座り込む歩いては座り込む・・・ホントそれだけです。たまに座り込んで呼吸を整えようとしていると、 フッと意識が飛ぶんです・・・そして1 コマだけの夢を見るんですよ。一体、その間に何秒寝ているのか分からないけども、何十回と一瞬寝ては夢を見てます。夢のある子なんです。

で、ウトウトしててハッと気づくと、頭がぐるぐる回って気持ち悪い。むりやり目を覚ましたせいかも知らないんだけども、おそらくは寝ている感は呼 吸していなかったのかも。起きている時は、ゼェゼェハァハァしてるのに、ふと起きた瞬間は、いやに呼吸が静かで、気持ち悪いと感じた瞬間、気づいたように 呼吸が苦しくなったりでね。ホントに死にそうだったのか・・・も♪

やがて見えてきた山小屋・・・八合目、相変わらずです。もうバカの一つ覚えのように、歩く、座る、寝る、吐きそうになるの繰り返しで、その辺りは 100% の純粋な頂上を見たいと言う希望だけが彼を支えていたのかもしれない・・・当時の俺の事ね。やがて下ばかり見ていたのを、ふと見上げると空が少しづつ白ん でくるのが分かるようになってきました。それを感じた一瞬の記憶しかないくらい、心にも体にもゆとりがもてません。

1 度座り込むと、2 度と立ち上がりたくなくなるって症状には襲われなかったけど、むしろココら辺まで来て感じたのは、休憩を無駄に取れば、ココまで登ってくるのも無理じゃな いのかも?と。だけど、長時間歩いたり、長時間休んだりするのは良くなくて、ちょっとづつ休んで歩いてを繰り返すのがペースを乱さない方法だ!とか、一人 自慢げに感じる俺。だんだんと、歩いている時間が短くなり、座っている時間が延びてくる。

真・極限!な思いでたどり着いた山小屋・・・本八合目・・・本八合目?九合目じゃねぇのかよ・・・もうダメだ・・・な気持ちの中、2 人と久々の再会を果たし、1 人の提案で朝メシを喰うことに。ってかおれ持ってきて無いよ・・・と思ったら、山小屋に入ろうと言うではないか・・・なんて贅沢な。遠慮なく賛成して、つ いて行きましたよ。

山小屋とは言え、久々の雨風がしのげる屋内、そりゃメガネも曇ります、何も見えません。そして、ついに温かい物を口にする事ができたのです・・・ 天ぷらうどん700 円。思ったより値段もお手ごろです・・・しかしこのウマさ!何でこんなにウマいんだろう・・・ごく普通な、ちょい量が少なめな、うどんさんに痛く感激いた しました。そういや、ココまで来る途中も、元気があるうちは持参した酢昆布やキットカットを喰っては、え?こんなにウマかったっけ?と一人自問自答してみたり、もらったチップスターの味に激しく心震えたものです。マジで言う・・・チップスターはウマい!

体も休めて、腹もふくれて、息も整えられて、ずっとココにいたい・・・けど、つらいのはみんな一緒だし、次の人に場所を譲らなくちゃ・・・の思い で、席を立って外に出る。すると、目の前には・・・御来光が。天気も泥曇りだし、雲越しの太陽で、だいぶ日の出から経っているようだったけども、何この清 々しい気持ちは?これこそ、この気持ちこそ、癒し、そのものなのですよ。

周囲も、ヘッドランプがいらないくらい、すっかり明るくなりました。風は相変わらず暴風です、いろいろな物が飛ばされてます、雲も山肌を流れるよ うに落ちて行きます。一瞬・・・どころか延々と景色に見とれてしまいます。疲れが取れていく・・・と言うのは無いけれども、その景色を見ている間だけは、 忘れる事ができます。これ本当です。・・・さて、頂上はもうすぐかな?と。

・・・あの辛さと、あと景色は忘れられません・・・続きはあとで・・・。

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